2009年1月28日 (水)

Mozart Sonata Kochel No.284 第1楽章アナリーゼ

楽曲構成
○主D dur 4分の4拍子 Allegro (速く)

【呈示部】(1~51小節、繰り返し)
<第1テーマa>(1~3小節)オクターブユニゾンモチーフ
<経過句1>(4~8小節)Ⅴ度オクターブのオルゲルプンクトを伴う
<第1テーマb>(9~12小節)Ⅰのオルゲルプンクトを伴う
<経過句2>(13~20小節)
<第2テーマ>○属A dur (22~29小節)モチーフ2回繰り返し(2回目はヴァリエーション)
<経過句3>(30~43小節)3つのモチーフ(30~33,34~37,38~43小節)
<コデッタ>(44~51小節)

∥:呈示部繰り返し:∥

【展開部】(52~71小節)
(52~59小節)右手 :17小節からの16分モチーフ逆ヴァージョン+左手 :第1テーマbのモチーフ短縮形( ?)による展開
転調の流れ[a moll→e moll→h moll]
(60~71小節)これまでに出て来ていない新しいモチーフ+16分アルベルティバスによる展開
[h moll→fis moll→e moll→d moll]

【再現部】(72~127小節) ○主D dur
第2テーマまで呈示部と同じ(第2テーマは通常通り主調のまま)
第2テーマの97~98小節…呈示部では1小節だったのが2小節に拡大してオクターブ上でテーマ2回目繰り返し
経過句3…105小節でオクターブ下がって呈示部と同じ位置へ(D durのまま)
108小節…オクターブ上がって呈示部と比べて少し変形
<コーダ>(116~127小節)
118~121小節…呈示部には無い部分
118~119小節…コデッタ終止(呈示部コデッタ46~49小節)の短縮形
120~121小節…116~117小節のヴァリエーション
122~125小節…118~119小節の拡大(=呈示部のコデッタの終止と同じ)
→小終止(118~119)と大終止(122~125)を2つ重ねることによって、
コーダ(曲の終わり)の終止を強調

それぞれのセクションの特徴、対比

<第1テーマa>元気で明るいイメージ
<第1テーマb>明るいがaより滑らかなテーマ。pの対比を上手く使っている
<第2テーマ>第1テーマに比べて優美でやさしいテーマ。p
<コデッタ>直前の経過句3、3つ目のモチーフの鋭い付点リズムをそのままリズムモチーフとして使用。fからいったんpに落して、再びfでアルベルティバスを伴った終止形。
<経過句>
☆経過句3の最初のモチーフ(30~33)は右手16分の伴奏形と左手オクターブの使用という点で通じるところがある。(経過句1の短縮形ともとれる)
☆経過句3の2番目のモチーフ(34~37)の8分伴奏形は第2テーマの伴奏形と共通。
経過句3、3つ目のモチーフ(38~43)はコデッタへ向かうための準備。
3小節単位のⅠ→Ⅳ→Ⅴのモチーフを2回繰り返す。

【展開部】
(52~59小節)16分の細かい伴奏を伴い、左手は低音、高音で転調をしながらモチーフのかけ合い。
(60~71小節)アルベルティバスを供なった2小節単位の上下モチーフを2度づつ反復進行(同じ形を保ったまま繰り返す)で下行。
66小節からは再現部に向かうための経過。

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2008年11月12日 (水)

Beethoven Sonata op.57熱情 第1楽章アナリーゼ

楽曲構成

主調:f  moll 8分の12拍子 Allegro assai(極めて速く)



【呈示部】(1~64小節)


<第1テーマ>(1小節~)

pp 4分、付点2分音符などの中に16分の細かい音が弱拍に入るアルペジオを基調としたテーマ。10小節に入る左手の8分音符3つと4分音符2つのモチーフ→運命のモチーフそっくり(『運命』モチーフ)

→第1テーマヴァリエーション (16小節~)

テーマの間に突然ffで和音転回上昇形のシンコペーションリズムが挿入される。


<経過句1Es dur[Ⅶ度調](24小節~)es mollっぽいEs duresのオルゲルプンクト


<第2テーマ>As dur[行調](35小節~)

1テーマと対照的に穏やかな長調の上行モチーフ。ただしリズムは極似。


<第3テーマ>as moll〔平行調の同主調〕(51小節~)

激しい16分モチーフによるテーマ。

        短いつなぎ(59小節~)


<コデッタ>(61小節~)

       【展開部】へのつなぎ(65小節~)as moll=gismollE dur


 

【展開部】(67小節~)

1テーマによる展開E dur[+Ⅶ度調]*as mollの異名同音調gis mollのⅥ度調

fis mollE dure mollへ〕

→左手による第1テーマモチーフe moll (79小節~)

右手は第2テーマモチーフを模倣した伴奏形

81小節から左右モチーフ交代 c moll7

以下2小節毎に左右モチーフを交代(伴奏形は5連符)で展開(83小節~)

c mollAs dur7As durF moll9

 →第1テーマモチーフの流れを受けながらのつなぎ(91小節~)

 [Des dur7(時々準固有9音が入る)]

→経過句1モチーフによるオルゲルプンクト(93小節~108小節)

a(Des dur音、As dur)をオルゲルプンクトに

  〔Des durⅤ→Ⅰ=As durⅣ→Ⅳ+6(3声Ⅱ)〕のモチーフを2(93101小節)

  →呈示部の経過句より音が明るい

As durⅣ+6→Ⅰ〕の繰り返し(101,102小節)

105小節より徐々にベースが下行、右手は上行

Des durで第2テーマ再現[主調のⅥ度調]

114小節~第2テーマモチーフで転調展開

[h mollⅠ→Ⅴ→Ges durⅠ→Fis dur(Ges durの異名同音調)h mollG dur

C dur(=f moll)]

fmoll9根音省略によるアルペジオ展開(123129小節)

→左手『運命』モチーフで展開、右手は第2テーマモチーフを模倣した伴奏形(130)

→再現部へ向かうためのオルゲルプンクト(134,135小節)

 

【再現部】(136小節~)


1テーマf moll調(136小節~)ppオルゲルプンクトを保ったまま再現

152小節~F durで第1テーマヴァリエーション①


<経過句1(163小節~)c moll属調c音オルゲルプンクト


<第2テーマ>(174小節~)F dur同主調

Dolce(やさしく、柔らかく)→しかし低音和音非常に重い

<第3テーマ>f moll調(190小節~)呈示部と形は同じ

 

【終結部】(204小節~)

204小節~fmoll主調

右手は16分モチーフを受け継ぎ、左手は地を這うような最低音fから第1テーマモチーフ→転調しながら徐々に上行

[f mollDes dur]

210小節~Des dur平行調テーマが右手に移り、第2テーマ。徐々に明るい光が差し込むような感じ。しかしすぐにc mollf mollに転調。

218小節~2小節単位でf moll-(ナポリ)b mollⅤ→Ⅰへ16分アルペジオで上行

222小節~2拍単位でベースがスケール上行

227小節~b mollⅠより2小節単位で

Ⅴ度Ⅴ度(ドッペルドミナント)→Ⅴのカデンツ(16分アルペジオ)

235小節でbに上昇したところで左手『運命』モチーフ。238小節Adagioで半終止。pp

 

<コーダ>(239小節~)

Piu Allegro(より速く)

『運命』モチーフをff Adagioと同じ和音(f moll)で受け継ぎ、pで第2テーマ短調で再現。徐々にcresciendo.

250小節~ダメ押しの和音モチーフでⅠ→Ⅴの単純な和声進行を繰り返し、そのフレーズをoct上で繰り返し、さらに後半を1octずつ上げながら2回繰り返し、

cas16分オルゲルプンクト上で第2テーマモチーフ再現。(258小節~)

徐々にオルゲルプンクトが上がり、逆に第2テーマモチーフは左手に引き継ぎ下行。

最低音fまで下がりきったところで沈静。pppで終了。

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Beethoven Sonata op.13 悲愴 第3楽章アナリーゼ

楽曲構成

Rondo形式

c moll 2分の2拍子 Allegro (速く)

【主要主題部(リフレイン) (117小節)

 

【挿入部1(1クプレ) (18~61小節)

f moll[属調](18~21小節)Es dur [行調](22小節~)

3連符モチーフ(33小節~)4分音符同音連打モチーフ(44小節~)

51小節~37小節からの左右逆パターン→oct下で繰り返し(54小節~)

c moll

 

【主要主題部(リフレイン) (62~78小節)

【挿入部2(2クプレ) (79~120小節)

As dur[Ⅵ調](79~106小節)c moll[]Ⅴ度オルゲルプンクト

コラール調の2分音符モチーフ(79小節~)

→逆転回+シンコペーションヴァリエーション(83小節~)

→コラールモチーフoct+左手3度シンコペーションヴァリエーション(87小節~)

→モチーフ左右逆(91小節~)

→コラールモチーフ左手8分下降ヴァリエーション(99小節~)

107小節~c mollⅤ度オルゲルプンクト16分モチーフ~83連符~ffから下降

【主要主題部(リフレイン) (121小節~)

128小節からAモチーフのヴァリエーション(左手テーマモチーフの展開)

134小節~25小節からのモチーフC dur[主長調]

143小節~51小節からのモチーフ G dur[調]C dur[主長調]

158小節~4分音符モチーフの展開 C durEs durG dur167小節からC mollⅤ度

 

 

コーダ【主要主題部(リフレイン) (171小節~)

c moll

174177小節のヴァリエーション(179小節~)

182小節~37小節モチーフによる展開

203小節~モチーフ再現 As dur[Ⅵ度調]c moll

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2008年11月11日 (火)

Beethoven Sonata op.27,No.2 “月光” 第3楽章アナリーゼ

楽曲構成

主調:cis moll 4分の4拍子 

Presto agitato(速く、切迫して)



【呈示部】(1~65小節、繰り返し)

<第1テーマ> (1~20小節)

<第2テーマ>属調:gis moll(21~32小節)

<経過句1A dur(Ⅵ度調)(33~42小節)

<第3テーマ?調:gis moll(4356小節)

<コデッタ>gis moll(57~64小節)

 

:呈示部繰り返し:

 

【展開部】(128~164小節)

1テーマ同主調:Cis dur(128~134小節)

→第2テーマfis moll (135小節~)

→左手第2テーマ展開(138小節~)

[fis mollG dur]

→左手第2テーマ後半類似モチーフによる展開(146~149小節)

 [fis mollcis moll]

→第2テーマ展開+主調Ⅴ度の*オルゲルプンクト(150~164小節)

*オルゲルプンクト…通奏低音、保属音:バス音Ⅰ度またはⅤ度の主音、または5音をある一定の期間引き延ばす奏法

 

 

【再現部】(165~264小節)

<第1テーマ>主調: cis moll(165~178小節)

<第2テーマ> 調:cis moll (179~190小節)

<経過句1D dur-Ⅱ調〕(191~200小節)

<第3テーマ?主調: cis moll(201~214小節)

<コデッタ> 調:cis moll (215~222小節)

<第1テーマ再現>調: cis moll Ⅳ→Ⅰ(223~226小節)

<挿入句?調: cis moll

Ⅴ度Ⅴ度(ドッペルドミナント)9→Ⅴ9(227~230小節)

<左手による第1テーマ再現→右手テーマ> 調:cis moll (231~240小節)

fis mollD durcis moll

<コーダへの経過句>(243~253小節)

<コーダ>(254小節~)

     呈示部コデッタ(254~259小節)

     第1テーマモチーフによる締め

        (260264小節)

 

 

 

★各テーマモチーフの特徴

 

<第1テーマ>低音から16分音符で上行し、pからsfの和音へ一気に持っていく形

何かが迫ってくるような感じ。

<第2テーマ>第1テーマと対照的に、16分音符の滑らかな伴奏の上で、横に流れる旋律。どちらかと言えば下行が多い。

<第3テーマ>第2テーマの流れる旋律から一転、同音8分音符スタッカートの効果で流れをせき止める切迫感のあるモチーフ

<コデッタ>再び、16分音符の流れのある伴奏の上で4分音符中心の悠々とした旋律

 

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2008年6月20日 (金)

<楽曲構成分析>Beethoven Sonata op.2-1第1楽章

楽曲構成

 

主調:f moll 2分の2拍子 Allegro (速く)

【呈示部】(1~48小節、繰り返し)

<第1テーマ>(1~8小節)

経過句>第1テーマモチーフによる展開[調]c mollAs dur919小節)

2テーマ平行調:As dur (20~41小節)

コデッタ平行調:As dur (41~48小節)

:呈示部繰り返し:

 

【展開部】(49100小節)

1テーマモチーフによる展開[平行調]As dur (4954小節) 

→第2テーマモチーフによる展開b moll属調〕(55小節~)

この間の転調[b mollc moll(63小節~) ]

→左手による第2テーマモチーフの展開(67~72小節)

この間の転調[c mollb mollAs dur?]

→第2テーマ後半モチーフの拡大によるつなぎ(73~80小節)

この間の転調[As durf mollf mollⅤ度]

f mollⅤ度オルゲルプンクト(8分音符)を土台に、左手第2テーマモチーフの対旋律(69小節右手)モチーフの展開、拡大(81~93小節)

4分音符によるオルゲルプンクト(pp)を土台に第1テーマ3連符モチーフ展開(93~100小節)

【再現部】(101~152小節)

<第1テーマ>f moll(101~108小節)

<経過句>f mollb moll f mollⅤ度(109~118小節)

<第2テーマ>f moll (119~139小節)

<コデッタ>f moll (140~152小節)

 

各テーマの特徴

<第1テーマ>…3和音アルペジオ4分音符で上行し、付点四分音符と3連符で解決
1小節単音ののち、和音4分音符の単純な伴奏

 

<第2テーマ>…第1テーマと対照的に、8分音符Ⅴ度5音のオルゲルプンクトの上に、4分音符アルペジオ下行ののち、いったん下がって上がる解決

 後半は8分音符モチーフで右手上行、左手下行で盛り上がりに向けて広がっていき、頂点で一気に右手は下行、左手は上行モチーフ

 
<コデッタ>……3拍目から始まる装飾音符を伴った付点モチーフ4分音符後打ちの伴奏でかなりリズミカル


 

※小節数は繰返しをしない場合の数字

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2007年7月18日 (水)

モーツァルト交響曲第40番ト短調K.550第1楽章≪楽曲分析≫

※このブログの最後に、音楽専門知識のない方の為に少しだけ補足説明をつけました。
専門的な事がわからない方は、先に文末の≪専門用語(音楽の知識がない方へ)≫をお読みください。

主調 g moll 2分の2拍子 ソナタ形式
Allegro molto

【呈示部】
ヴィオラ(vla)のディヴィジ(重音奏法)による8分音符の刻みの伴奏の上で、
ヴァイオリン(vn)Ⅰ,Ⅱによる半音下降(es→d→d)から始まる有名な第1主題Aが始まる。
低弦(チェロvc、コントラバスCb)は4分音符で1拍目を刻む形。
10小節目から低弦が全音符で流れる動きに変化。
vnのメロディは最初の8小節の応答となり、14小節目でフルート(Fl)クラリネット(Cl)ファゴット(Fg)による山形の合いの手が入る。
16小節目で「ため息」と呼ばれる半音上行のモチーフ(Fl…cis→d)
ため息モチーフの合間に弦が8分音符+2分音符で呼応。
3回繰り返した後サイクルが早くなり、半終止(主調のⅤの和音で終止する形)

すぐに第1主題Aがつなぎの役目をしながらもすでにメインの繰り返しとしてvnで繰り返される。
オーボエ(Ob)とFgの長音符による背景。
調はg mollから並行調(調号が共通する調)のB Durへ転調し、経過部へ。
28小節目からの経過部では低弦による8分音符の刻みの上で、
vnが和音構成音を4分音符で上行するモチーフBを奏する。
管楽器は全音符でメロディの補助。順次進行で下降6小節。
34小節目からvn8分音符でe→desに順次上行するモチーフ1小節を4回繰り返し、
その後低弦同音オルゲルプンクト(ⅴ音)による8分音符の刻みののち、
半終止。

44小節から第2主題Cが弦と管の掛け合いによって奏される。
それまでメロディーと伴奏がはっきりわかれていたものが、
ここでは全体でひとつの流れを形成している。和声的。
第2主題Cは順次下降のメロディを主体とし、1回目は弦→管→弦の受け渡し、
2回目は逆に管→弦→管、最後の2小節だけまた弦に受け渡され、Clもこれに加わる。
58小節、2回目のC主題の後、Flに「ため息」モチーフの変形が現れ、
これを4回繰り返し、小コーダに向けてのエネルギーを貯める。

62小節より小コーダ。
B durのドッペルドミナント(Ⅴ度調のⅤ度の和音)2小節で不安感をもたらし、
64小節の主和音で解決、解放感を与えている。
66小節、主和音で終止した後、間髪入れず強烈な2拍目のシンコペーションアクセント。
vn8分音符刻みの順次上行、付点リズムモチーフの後、管も加わって、gから一気に8分音符で順次下降。
vnⅡによるそよそよとした8分音符の伴奏の上で、ClとFgによる第1主題Aモチーフの掛け合い、その間、vnⅠと低弦による2分音符半音下降の掛け合い5小節の後、突然フォルテでvnによる第1主題Aモチーフ、低弦8分音符刻み、3小節、またピアノ(p)でFg,、ClによるA主題掛け合い、その後すぐフォルテでvnⅠによるA主題、と、ここは強弱の対比が著しく、また非常に効果的に使われている。
その後、フォルテ(f)のまま順次下降を2回繰り返し、Ⅰ→Ⅴのカデンツを繰り返して呈示部終了。

【展開部】
呈示部最後のg mollⅤの和音から、Ⅰ度に一旦入るも、管の滑らかな下降音型から主調g mollより一番遠い調、fis mollに入ってvnによる第1主題Aの再現。フレーズの終わりが半音下がって解決せず、そのままA主題のモチーフを使って転調を繰り返す。
115小節からe mollフォルテで低弦による主題Aモチーフ。vnの山形アルペジオ音型による伴奏型と管による展開部出だしと同じような下降形の合いの手。
4小節単位で低弦とvnがモチーフと伴奏形を交代しながら、d moll→F Dur→Es Durと転調。
130小節目からvnによってモチーフの繰り返し。g moll→d mollⅤ度でモチーフ前半部分のみ2回繰り返し、低弦の伴奏もオルゲルプンクトd mollのⅤ度音の8分音符刻みで停滞。
vnのA主題モチーフだけが残り、そのままFl,ClがB DurⅤ度で第1主題Aモチーフを重ねる。
そのままFl,Clとvnが交互にAモチーフを掛け合い。6小節1度ずつ上行しながら転調、c mollまで行った後、今度はvnⅠとvcでAモチーフ、合いの手で管によるAモチーフの断片が入りながら下降。
153小節からフォルテでvn,vlaと低弦によるAモチーフ断片の掛け合い、同時進行で管によるBモチーフとその逆行モチーフ、弦によるサイクルの短いAモチーフ断片繰り返し下降1小節をはさみ、160小節より今度はFl単音とCl.2本によるAモチーフ断片の掛け合いで順次下降。Flがgまで下降したところでvnによる第1主題Aが始まり、再現部となる。

【再現部】
再現部は基本的に呈示部と同じだが、最初の第1主題の時にFgによるなだらかな下降の対旋律が現れる。
経過部はEs Durで現れ、呈示部と違って、順次上行形のモチーフにすぐには入らず、
低弦によるBモチーフから8小節にわたるゼクェンツ(同じフレーズと和音進行を繰り返しながら転調する反復進行)。その間vnⅠではBの変形モチーフが低弦のBモチーフに呼応するように入っている。
211小節目よりBの正当なモチーフが今度はg mollで現れ、ここでvnによる順次上行型野モチーフが現れる。
つまり、本来の経過部と言われる形は211小節目のg mollから現れている。
G.P(ゲネラルパウゼ=全休止)の後、227小節目から第2主題Cの再現。
主調g mollではあるが、形は呈示部と同じ。
245小節目、コーダに入り、呈示部の小コーダより拡大した形で主和音で終止。
254小節目からまた間髪入れずに強烈なシンコペーションアクセントの後上昇、
付点リズム、es音からの下降。
p(ピアノ)とf(フォルテ)の強弱対比15小節、8分音符下降によるモチーフ2回繰り返しののち、
クロマティック(半音階)+シンコペーションでの上昇、上がりきったところでp(ピアノ)。
285小節目でpの中vnⅡによるAモチーフ。vnⅠにモチーフは受け継がれ(このモチーフは以前はフォルテで奏されていたのがここではピアノ(p)である)vnⅡがそれに寄り添うような形でシンコペーション順次下降。後を追うようにvlaによるAモチーフ。次いで管によるAモチーフののち、全体合奏(tutti)によってf(フォルテ)で締めくくられ、終了。


≪専門用語(音楽の知識がない方へ)≫

★小文字の英語は音名です。(ドイツ音名)

c,d,e,f,g,a,h,c=ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド

語尾にisがつくと♯、esがつくと♭になります。
例 cis=ド♯ es=ミ♭ des=レ♭etc…

例外 b=シ♭

★g moll, B Dur…というのは、使われている音階、調を示したものです。
日本語では、Dur=長調、moll=短調となります。
英語だとDur=major(メジャー)、moll=minor(マイナー)となります。
ちなみにDur, mollはドイツ語です。
g mollとはg=ソの音から始まる短調、日本語ではト短調、
B DurとはB=シ♭の音から始まる長調、日本語では変ロ長調という事です。
上記のドイツ語音名と合わせて参考になさってください。

★Ⅰ、Ⅴというのは、和音の度数です。

詳細は和音の機能について をご覧下さい。

 

★呈示部、展開部…というのは、

ソナタ形式で使われるセクションの事です。
詳細はソナタ形式をご覧下さい。

★モチーフとは…
メロディの元となる音の集まり、音型。動機とも言う。

★シンコペーション
拍子の2拍目や4拍目、または裏拍(これらを弱拍という)にアクセントがつくリズムの事。
通常クラシックの曲では指定のない限り拍の頭、1拍目や3拍目(これらを強拍という)にアクセントがつきます。

 

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2007年6月 6日 (水)

テンペスト楽曲分析

ベートーヴェンソナタ テンペスト d moll Op.31,No.2

導入部(1~20)d moll
Largo pp d:Ⅴアルペジオから上昇。
次いでAllegro 右手モチーフ8分音符下降に対し、左手4分音符上昇。
2回繰り返し3回目のモチーフ繰り返しでⅠのd音に上昇。
Adagioで動き止める。フェルマータ。
2回目のLargo F:Ⅴつかの間の平和な響き。すぐにAllegroで切迫感。8分音符モチーフ繰り返しながら上昇。3回目でモチーフの前半部分の形だけを繰り返して頂点Fまで上昇ののち、同じモチーフで一気に下がる。bまで下がったところでモチーフを使って停滞、繰り返し3回目で上昇。第1テーマへ。

呈示部第1テーマ(20~40)
8分3連符に左手から上昇モチーフ。それに呼応して右手のモチーフ。
4小節ごとⅠ→Ⅴ→Ⅰと繰り返し、3回目でモチーフの変型。同じ形で3回繰り返しながら上昇。4回目でモチーフ後半を3回繰り返し第2テーマへの高揚感を高める。

第2テーマ(41~68)
属調 a moll
導入部のモチーフの反行モチーフ。繰り返して3回目で下降。4小節フレーズを上昇しながら繰り返し、3回目で頂点。盛り上げて一気に下がる。
cまで下がったところで弱起フレーズでoctずつ上昇、3回目でフレーズ拡大。
すぐにバスがaまで落ちる。
右手フレーズが少しづつ上昇、3回目で一気にfまで上がる。

経過部(69~79)
左手gまで下がったところからモチーフ繰り返しで徐々に上昇。eまで上がる。
その間右手は弱起4分音符2度下降のフレーズでoct上昇、下降を続けながら音的には下降。

コデッタ(75~89)
75小節目で右手モチーフを左手が拡大して引き継ぎ順次下降に対し、、右手は左手の8分音符モチーフを受け継いでモチーフを繰り返しながら上昇。2小節単位で右と左のモチーフを交代、次いで下降モチーフは変形して繰り返し。繰り返し3回目で右手8分モチーフ後半Ⅰ小節のみ3回繰り返す。その後aの2分音符連打で沈静。




展開部(185~234)
導入部Ⅰ~2のモチーフ。D:Ⅰ→Fis:ⅴ度Ⅴ→Ⅰ2で繰り返し。Allegroでfis mollに転調、落差を与えて第1テーマ。
Ⅰ→Ⅴ→Ⅰで繰り返し、3回めからテーマ前半のモチーフを繰り返しながら徐々に上昇。6回繰り返してⅠ小節の繰り返しを2回の後aをオルゲルプンクトとした8分モチーフ。Ⅰ小節モチーフを3回づつ繰り返し、さらに旋律部分と低続音部分を順番にoct下げながら4小節の全体フレーズも3回繰り返し、    A:Ⅰの全音符→Ⅳ→Ⅰ→d:Ⅳ→Ⅴで沈静。その間バスはaのオルゲルプンクト=主調dへの準備。

再現部(235~318)
導入部モチーフ。レチタティーボっぽい変型。
Allegroの後再びLargoフレーズ。f moll
251~Allegro。動きをせき止めるような4分音符&休符同音フレーズ2小節ののち、そのせき止められた動きを開放するような流動感のあるアルペジオの動き2小節。
4小節ブロックごとに上昇し、第2テーマ再現へ向けての高揚感をあおる。
261~第2テーマ再現。d:呈示部第2テーマと形は同じ。308まで。

コーダ(309~318)
d音沈静ののち、ppで左手が右手の8分モチーフを引き継ぎdⅠで停滞。主和音で終了。  

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